きみがすき
第42章 *かーてんこーる*
*
相「あー食べたぁ。お腹いっぱい。」
「ね。俺もう入んないや。」
ごちそうさま。と挨拶をしてラーメン屋を後にした俺達。
何度見ても思うけど、その細い体の何処にあの大盛りのラーメンとチャーハン。それに餃子が入るの?って思う。
成長期の中学生みたいだ。
相「うぅ…外はなかなか寒いね。」
そう言って相葉ちゃんは首を竦める。
「うん。暖かい所から出ると余計だよね。」
相「明日の朝も冷えそう…あ、朝ごはん。パンとご飯どっちがいい?」
「ご飯!」
相「くふ。りょーかい。おかずは何にしようかなぁ。」
最早、泊まりの時のお決まりのやり取り。
そんな話をしながら、相葉ちゃんの家までぷらぷらと歩い…ぁ
「…ひっくしゅんっ!!」
相「わ、大丈夫?!」
「ずずっ…あ、大丈夫!冷えたかな?あはは。」
ちょっと恥ずかしい…
相「………」
?
急に黙った相葉ちゃん。
あれ?と見上げれば…
相「ね 早く帰ろ?暖めてあげたい。」
「は?えっ?」
急に耳元に寄せられた相葉ちゃんの唇から出てきたのは、艶っぽい声に…なんと答えれば。なフレーズ。
そして
ちゅ。
そのまま耳にキスされた。
「ちょっ…!」
相「くふふ。耳もラーメンの匂いがするー(笑)」
…
だろうね。
ってそうじゃなくて!
相「お風呂。今日も一緒に入ろうね♪」
ボンっ!!!
どこでスイッチが入ったのか、駄目押しの畳み掛けのアノお誘いに、マグマの様に顔が赤くなったであろう俺。
そんな俺を見て、相葉ちゃんは満足そうに笑って
俺の手を取って歩き出す。
…もぉ狡い
相葉ちゃんてね
実は結構 変態だ←
優しいくせに、意地悪で
格好良くて、意外と我が儘で
料理がすごく上手で、ちょっと抜けてて
そんでもって…
相「大ちゃん」
「え?」
相「だいすき」
振り向いて急にそんな事を言う
俺のことが だいすきな
すきで
すきよりもっと
俺の「だいすき」な人
そう返せば
きみは 幸せそうに笑ってくれる
相「♪〜♪♪♪〜〜」
BGMは少しだけ前を歩く相葉ちゃんの鼻歌
俺は、ディープグリーンのマフラーに
にやけっぱなしの口元を そっと隠した
*きみがすき おしまい* 2018.12.23