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俺は奈美さんに頭を下げて、
翔さんに一言礼を言うと、
足早に翔さんの車に先に戻ってきてしまった。




『……ちょ！……
ナツ！まだスカーフ！』



『行ってあげて翔？
きっとナツくん、
この世界に戸惑ってるのよ？……』



『ワリーな！アイツ！
ちゃんと礼も言わないで！』



『ううん、翔スカーフ♪
これでいいならプレゼントさせて？』



と言うと奈美はオススメ商品を、
見せてくれた。



『あ、じゃあ、これいい？
有難う！奈美♪
じゃあ今夜待ってるよ！』


『頑張ってね♪』


『……今夜……
たっぷりサービスする♪』


俺は店を出て
慌てて車に戻った。



『……こぉらナツ！……
奈美チャンに失礼だろ！
なんなんだよ、たく！』



『……あ……
ごめん……でも……』



『でもなんだよ！？』


『……翔さん……
俺が死のうとした程、
悩んだ金額あんなあっさり、
キャッシュで出して、
俺……情けなくて……』



『……は？……何それ！？
それはこれから、
ナツが頑張っていけば、
いー話しだろ！？』



『……そーだけど……』



『それにあの金は俺が、
頑張って働いて手に入れた金なの！
おまえにあっさりなんて、
言われたかねーよ！』




『あ、ごめん……
翔さん俺……』



『言っとくけど！
俺いつまでもジメジメしてる奴、
教える程暇じゃねーから！』




……俺は……
翔さんと知り会って初めて、
本気で翔さんを怒らせて、
しまった……





……ああ俺……
マジ情けねーな……