粉雪のファンタジー
第1章 *雪との出逢い*
……あの日俺は……
学生時代の先輩と久しぶりに、
会う事になっていた。
こんな事
滅多にないんだけど。
俺はこれでも
売れッ子のカメラマンで毎日結構忙しい。
だから今日のオフも本当に偶然。
俺は待ち合わせ場所の、
カフェバーへ急いだ。
『おーい!涼~
ココ、ココ!』
『先輩!スミマセン~
遅くなって……』
『いーよ。おまえ売れっ子だもん!
しゃーねーよ。』
『そんな事ないっすよww』
『あ、おまえ何飲む?』
『あ、ビールで♪』
『すみません~ビール!』
『ハイ!』
『……あの……先輩?……
こちらのお美しい方は?……
まさか先輩の彼女?……』
『あ、忘れてた!』
『ひどッ!……』
『紹介するよ。
俺の彼女の清水雪……』
『……』
『なんて顔してんだよ?
嘘だよ……
彼女って言いたいけど、
イトコ。俺の♪』
『……ああ……そうっすか……』
『なんだよ?……
涼?おまえも雪に、
一目惚れか?……』
『……』
『……おまえ……
解りやす~!
紹介しよーか?この場で♪』
『……ハ、ハイッ!……』
俺はなんの迷いもなく、
そう答えていた。
そのくらい雪は名前の通り、
真っ白で美しい女だった。
俺はここまで美しい女は今まで、
逢った事が無かった……
『……ねえ……
雪?涼おまえに
一目惚れしたんだって。
付き合う?おまえ今、
彼氏いないんだろ?……』
『……』
『こいつ俺の後輩で売れっ子カメラマン♪
イケメンだろ?オイ涼!
名前ぐらいテメーで言え!』
『……あッ……高杉です。22歳。
よろしく。』
『……よろしくね……
涼くん。雪です。
でもこんなイケメンくんなら、
彼女いるんでしょ?……』
『……いないよ……信じてよ……』
『……ホント?……涼くん。』
『……好きな奴は出来た……
たった今……』
『……雪……こいつ、
マジ今いねーよ?いい奴だから。』
『……少し……考えさせて……』
こうして俺達は久しぶりに2時間ほど、
語らいお開きにした。
俺と雪は携番を交換して別れた。
『……頑張ってね……涼くん。』
『……ハイッ!……』