ふたつの鼓動
第1章 第1章
「おと先いっとるきんね!」
まだ寝ぼけている音灯古に抜けない地元訛りでいつものように声をかける
「ん~......もう少し...」
マロンアッシュに染められたツーブロックの芝生頭をボリボリとかいてまた寝返りを打った
一応、、、双子の兄貴にあたる音灯古どの。
さかのぼること30分ほど前……
......ブァサッッ!!!
わたしによって剥ぎ取られた毛布
「.....ん〜...ブルッ........さむ...ん.」
それを寒いとばかりにモゾモゾ探す寝ぼけた手
日常茶飯事のその光景に
「...ねぇ...おと今日も遅刻するん?」
いつものように制服のリボンを結びながらたずねる
「ん~ン...昼からいく......」
そう言って見つけた毛布に再びくるまった
お前は蛇かっちゅーねん、、、まったく
「ん...わかった。」
表情を変えずにわたしは身だしなみを整えて一階に降りる
「おはよーん」
トテトテトテっと階段を降りながら朝の挨拶をする
「はな おはよ!まーたおと寝くさっとんと遅刻してくん!?」
一階に降りると わたしと瓜二つの瞳で
威勢よく話しながらフライパンの炒り卵をお皿に移す綺麗な女性
この人は、
わたし達のママである 三汲 直(みつくみ なお)
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2人の母 直は、15歳とゆう若さで双子をお腹に宿した
地元の中学を卒業後 まもなくして当時付き合っていた恋人
現在の2人の父親である
三汲 悠(みつくみ はるか)との間に子どもを授かったのだ
それはとてもとても幸運なことだった。
当時 悠は大学生だったが、直の誕生日が早かったため 彼女は15歳のうちに妊娠し
そして出産した。
その後、16歳の直の誕生日に入籍した。