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校えっち(校閲)ガール

第20章 桐生悠人の事情⑥

俺が先日まで世話になっていた
【ムラキ】所属の杏奈21歳。

彼女が今回の校閲でサラの役を演じる。

原稿通り温泉宿の部屋に
押し掛けてきた杏奈は
演技ではなく素で泣いていた。

きっと半ば強制的に
はたまた上手いことを言われ
それに騙され
ここへ来たのだろう。

本来ここで一悶着があるのだが
俺は何も言わず杏奈を抱き寄せ
唇を重ねた。

【ムラキ】の常套手段に
まんまと騙されてしまった杏奈が
不憫で可哀想に思えた。

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