テキストサイズ

校えっち(校閲)ガール

第37章 桐生悠人の事情⑩

「ひとついいかな?」
「はい?」

杏奈は未だ俺に密着している。

「嘘なんだろ?」
「……え?」
「未央を裏切ってまで……って言うくだりは」
「……」

はい。答えないのが答え。

「俺に抱き付いてまでする話じゃないよな」
「そこは見過ごしてほしかったです。
悠人さんを好きである以上、姑息であろうが
手段なんて選んでいられません」

杏奈は俺の背中に擦り付けるように
顔を埋めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ