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校えっち(校閲)ガール

第8章 桐生悠人の事情④

窓際で俺と未央は身体を密着させ
吊革に見立てたタオルを掴む。

そして俺はナオキ役と痴漢役の2つを演じる。

『スキ』と未央の口が動く。

「俺も好きだよ。未央」
「……そこは口を動かすだけですよ。
名前も違うし……」
「いいじゃん。好きなんだから」

この流れで本気の告白をすると唇を重ねる。

「……私も……悠人が好き……です」

……死ぬほど嬉しい。

「あれ?口動かすだけじゃないの?
未央ちゃん。原稿には忠実にね」
「え……だって……」

あ……泣きそう。

「うそうそ。いいよ。もっと言って」

あまりにも未央が可愛らしく
タオルから手を離し抱き締めてしまった。

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