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これを恋とは呼べない♥

第1章 ファーストキスもセカンドキスも。

「ただいま。はるにぃ、帰るの早いね」


「そーなんだよー。兄ちゃんが潰れちゃって」




手元で光るスマホには、「腐男子 意味」と検索をかけた答えが載っている。

目だけで確認してみると、「腐男子(ふだんし)とは、ボーイズラブ(BL)を好む男性のこと」と出ていた。


「まじかよ…」

「どうしたの?なに見てるのー?」



そう言って近付いてくる陽咲にバレないように急いでサイトを閉じる。



「何でもないよ。ちょっと調べ物…」



分かってくれたのかくれてないのか、「ふーん」と微妙な返事をして、そのまま着替えを始めた。




普段、寝る以外に使わないこの部屋をキョロキョロ見回してみると、こんなのあったっけ?と言うような怪しげな箱がいくつか置いてある。

この部屋は主に陽咲が使っているのだが、全て陽咲のものなのだろうか。



机の上には明らかに隠している本が積み重なっている。エロ本なら隠す必要もないと思うのだが…。


先ほどの和也の言葉と、検索をかけたワードが頭をグルグルと廻り、疑っているわけではないが、なんとなく陽咲を観察してしまう。



「ひなー…あれって漫画?」



聞いてみる他ない。
たまたま目に入ったから聞いてみた風を醸し出しながら、思い切って聞いてみる。



「え?あ、それはー…うん、漫画。だけど、借り物だからあんまり触らないでね」


別に腐男子だからって何も無いのだが、信じたくもない和也の言葉がどうしても頭から離れない。


もう一息。箱も聞いてみるか…。

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