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愛してるのに,愛せない(続)

第2章 傷

((日高side))





みんな食事を終え,USJに行く準備をし始めている中,まだ千晃は寝ていた



千晃はご飯を食べるのが遅いため,そろそろ時間が押していたので起こしに行くことにした



寝室に入り,寝ている千晃のベッドのそばへ行く



日「千晃ー,そろそろ起きないと遅れちゃうよ」




声をかけたが返事はない


ぐっすり寝られてると思い安心し,千晃の正面へ行くと,千晃は泣きながら寝ていた




涙が千晃の頬を伝っていた



濡れた頬を拭いてあげようとすると,



千「ママ…行かないで…お願い…」



かすかな寝言が聞こえた
きっと過去の夢をみているのだろう



千「みんな行かないでよ……やだ……」




それはまるで千晃の心の叫びのようにも聞こえた




黙っていられなくなり千晃をぎゅっと抱きしめ,軽く頬にキスをする



ふわふわした髪に触れると,千晃は目を覚ました



千「あ…だっちゃん……おはよう…!」



さっきまで辛い夢を見ていたはずなのに,無理して笑顔を作る千晃に胸が痛くなった



日「千晃……毎日,辛そうだな」

千「…どうして?毎日元気だよ〜(笑)」

日「無理して笑わなくていいよ。全部知ってるから。」

千「………」

日「大丈夫。千晃は1人じゃないから。」

千「ありがとう…。」

日「俺にできることがあったらなんでも言えよ」



千晃の力になりたい,と心の底から思った

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