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愛してるのに,愛せない(続)

第2章 傷

秀太side




日「集合!」



今日も日高の威勢のいい声がグラウンドに響き渡る



修学旅行が終わり1週間,大事な試合を控えた俺たちサッカー部はより練習に熱心に取り組んでいた




部長である日高はうちの部のエースストライカー


西島,與,直也も日高に次ぐ技術の持主だ


去年まで弱小チームだったサッカー部が,今年は県大会優勝も見えるほどの強豪校になっていた


実彩子と千晃はマネージャー


頭のいい実彩子は相手チームの分析や研究をはじめ,掃除や洗濯などのマネージャーの仕事もささっとこなしてしまう


千晃は試合や練習のたびに,みんなに差し入れを必ず持ってくる。中でも試合に必ず持ってきてくれるはちみつレモン漬けは選手にも大人気で,「サッカー部の食堂」と呼ばれている


休憩中に部室に入ろうとすると,中から引退した先輩の声が聞こえた
米田先輩と相澤先輩の声だった


米「なぁ,千晃ちゃんって彼氏いんのかな」

相「直也,隆弘,秀太,光啓,真司郎と仲いいって聞いたことあるけど」

米「なんだ,みんなサッカー部かよ」

相「今回は奪うの簡単そーじゃん」

米「千晃ちゃん優しそうだから,1回襲ったら黙ってついてくるとおもうw」

相「そーだなw」



相澤先輩と米田先輩は後輩からもかっこいいと話題になっていたが,性格は人とは思えないほど悪いらしく,自分のルックスの良さを利用して女と遊びまくると話題になっていた


千晃が狙われている…と少し身構えた

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