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大型犬との夏波乱

第3章 ~大喜の元親友だった青年~

「あの!」

僕は、席を立って男性の手首を持って振る。

その拍子に、男性の手の力が緩んで朝陽君の胸倉から離れる。

「てめぇ、何すんだよ!?」

「良い年した大人が、満席にイライラして店員に八つ当たりするとかみっともないですよ!
他の店行くなり、黙って待つぐらい出来ないんですか?」

僕の言葉に賛同したのか、他の客達が男性に対して批難の言葉が飛び交う。

それが気に入らない男性の表情が、見る見る怒りの形相に変わっていく。

「朝陽、大丈夫か?」

「大喜さん、大丈夫です…。」

大喜君が、僕達の近くまで来た。

「店員でもねえ奴が、偉そうに出しゃばんじゃねえ!」

「うッ…!」

「小太郎さん!」

男性に殴られた僕は、その場に尻餅をつく。

「小太郎さん、大丈夫ですか…?」

大喜君と朝陽君が、しゃがみこんで僕を心配する。

「俺に恥をかかせた責任、どう取ってくれんだよ!?」

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