テキストサイズ

大型犬との夏波乱

第3章 ~大喜の元親友だった青年~

緋露さんは、鼻で笑いながら男性の拳を捌く。

「はあッ」

「うぐッ…!?」

緋露さんの鳩尾を食らい、男性は腹を抑えながらその場にうずくまる。

「おい、そこのアンタ
早く、この男性と一緒に店を出て行く事だな」

「ちょっと、早く行きましょうよ」

彼女は、男性の腕を引っ張って立たせて、支えながら店を出て行った。

「緋露さん、いつから来てたの?」

「朝陽がさっきの男性に、胸倉を掴まれた辺りからだ
助けに入ろうとした時に、そこの青年が先にお前を助けたわけだ」

「そうだ!
小太郎さん、早く手当てを!」

大喜君に支えられながら、立ち上がる僕に朝陽君が言った。

「朝陽を庇って、ありがとうございました
そして、そのせいで殴られてしまいすみませんでした」

「いえ、そんな大丈夫ですから…。」

緋露さんは、頭を軽く下げて僕にお礼と謝罪を述べる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ