
Baby love
第26章 潤くんとお母さん。
M side
「あの子はちっとも家事の手伝いなんかしなかったけど。
潤くんがお手伝いしてくれてても、
潤!早くコッチ来い!ってエラそうに・・・ふふふっ。」
M「翔くんは良く俺の勉強見てくれました。
自分の勉強もあったのに、俺が分かるまで付き合ってくれて・・・」
「案外気が短い性格だけど、
潤くんの事だけは、ずっと見守ってたんだと思うわ。
だから口煩くなるんでしょうけど。
許してやって?」
M「許すもなにも・・・嬉しいです。
ずっと、俺の片想いだったから。」
「・・・ありがとう。
仕事以外ではずっと退屈そうな顔してた翔が、本当に幸せそうに笑ってるんだもの。」
嬉しいわ、と言いながら冷蔵庫を開けて顔を隠したお母さんは、
少し涙ぐんでいて・・・
男の俺なんかが、こんな風にお礼を言われるなんてあって良いのだろうか。
翔くんの未来を台無しにしたと怒られてもおかしくないのに・・・
「そんな顔しないの。
潤くんを選んだ翔を、誇りに思ってるの。
私の息子は、ちゃんと人を見る目のある子だったんだって分かったんだもの。」
M「そんな、俺なんて・・・」
冷蔵庫から取り出したビールを俺に渡して、お母さんがニッコリ笑う。
「潤くんも見る目あるわね。
ウチの子、なかなかの良い男でしょう?
さぁ、乾杯しましょ!
あとで潤くんが持ってきてくれたお酒も飲みましょうね♪」
M「・・・はい!」
「ふふっ、本当に可愛い笑顔は昔と変わらないわね。」
M「お母さんもですよ。」
「あら、ありがとう♡」
あ、そうだ!と食器棚からグラスをふたつ取り出して、俺に見せる。
それには、イニシャルらしきローマ字が記されていた。
