
スケートリンクと溺愛コーチ
第4章 いきなり勝負!?
行く当てもないままとぼとぼと歩く。
時間はすでに22時。外に出て、約1時間が経過した。
今繁華街にでれば、絶対に補導される時間だ。
ふと辺りを見てみる。どうやらここは、住宅街みたいだ。
さっきからラファとの会話がぐるぐると頭の中に流れている。
はじめて柚ちゃんの演技をみたときに感じた気持ち。
あれは気のせいではなかったのではないか?
そう思ってしまう。
「あー、もう、わっかんないよ!」
ここが住宅街だということも忘れ、大声で言ってしまった。
通りすがりのサラリーマンらしき男性が私を迷惑そうに見ているのがわかる。
大声だしちゃってごめんなさい、でも・・・
わかんないよ。どうすればいいの?
・・・このままだと、スケートのことも、柚ちゃんのことも、ラファのことも嫌いになりそうかも。
真っ黒い気分のまま、再び歩き出した。
