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第11章 I4U

千晃side






: 次は〜○○駅





重い腰を起こして、慣れない制服のスカートを少し払う





こんなに憂鬱な気分で高校生になるなんて、中3の私には全く考えつかなかった







父の会社を継ぐため、商業高校で学ぶようしつこく言われ、しぶしぶ了承したのが事の始まり






父に行くように言われたこの高校は男子校に近く、女子は学年に10人もいたら多い方だと言われるほど





男子だけのため荒れているとも言われていた







そんな中に放り込まれた悲劇のヒロインがこの私







クラス表を見ても、自分のクラスに女の子は私以外いない



学年には数人いると聞いたけど…友達になれるかどうか



-



1つ深呼吸をして恐る恐る自分のクラスのドアを開ける




シーン………





生徒「女子じゃん!!!!!!!!!!!!」






一瞬静まり返ったかと思うと、また大騒ぎをしだすやんちゃな男子一同



ときどき聞こえてくる罵声や机を倒す男に肩を震わせながら、時が過ぎるのを待つことしか私にはできなかった



-



しばらくすると、担任と思われる先生が入ってきた




色白で綺麗で優しそうな女の先生




こんなに暴れる人たちをまとめられるのだろうか…と少し疑ったが、その疑いは一瞬のうちに消え去るのだった





キキーーーッ





先生「静かにしろ」





なかなか静かにならない生徒に先生は、黒板に爪を立てて不快な音を出した




ドスの効いた低い声で、でも行動とは裏腹に満面の笑みを浮かべる先生に血の気が引く





騒いでいた生徒も先生を恐れて、黙って座りだした

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