箱………仇
第3章 違和感の重なり
そして…気がつく…
自分は…ちゃんと戸籍などを見たことが無いことを――…
学校で必要になる場合は…いつも父が準備してくれた…
届けてくれた――――…郵送してくれた…
私は、学校帰りに…
その足で…市役所に行き――…戸籍謄本を生まれて始めて取得した…
「え――…?うそ…」
そこには…私と父の関係が記載されていた――…
平 和志(タイラカズシ)
平 寿子(タイラヒサコ)【養女】――――と…
養女の事実もショックだったが…
その他に…父の欄で…違和感が膨らむ――――!
保護者の名は―…父であったが――――…
父の…生年月日が――――…違うのだ?…
戸籍謄本上の父は――――…
すでに70歳は過ぎている年齢だった…
足元から…崩れる感覚に…襲われる…
私は――…そのあと…どのルートで家まで帰ってきたのか――…
まったく…覚えてはいなかった――…