箱………仇
第6章 愛と言う箱――――…
私は――――…
泣いたまま――――…
朝を迎える…
外からかけられた鍵は――――
…大屋さんが…外してくれた――――…
テレビのニュースは…
父の事件で……17年前の事件が更にクローズアップされていた…
だが…腹を裂かれ母体から切り離された胎児の存在は――――…以前…謎のままで…
犯人とされる――――安倍 浩二は…何も語らない…
私は…
赤く腫らした目で――――…
育ての親の――――…行く末を見届ける…
そして――――…
父と暮らした……
小さなアパートを、見渡した――――…
「………………広いよ…お父さん…」
私は、“あべ こうじ君の思い出”の…アルバムを握りしめて――――…
瞳を綴じだ――――…
【END】