真冬に咲く花
第2章 僕は…
休み時間になると
案の定女子達が大野君を取り囲んでた
本人は…
机に突っ伏したまま動かない。
授業が始まっても顔をあげない。
学級委員としては
この状況は打破しなくてはならない。
意を決して声をかけた。
翔「大野君 校舎を案内するよ」
返事なし…
仕方なく肩を揺すってみた。
突然手首を凄い力で掴まれた。
智「さわるな…」
声も出なかった
冷たく誰をも寄せ付けない
そんな声だった…
立ち尽くす俺を黙って見つめる鋭い目。
智「…ごめん…」
翔「校舎を案内するよ」
先に教室を出た俺に 距離をとるように彼は後を着いてきた。