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Best name ~ 追憶 ~

第4章 ひとりに・・・しないで

目的のわからない彼の行動…


彼が側にいることで
揺さぶられる私の感情…



何か言ってよ・・・


ちゃんと言ってよ・・・




イミわかんないよ

ひどいよ・・・




人の気も知らないで





そばに…寄らないで




私に・・・触れないで









私は自分の心を押し殺し
彼から逃げるしかなかった







ドンっ・・・ガシャっ・・・





逃げ続ける私を捕まえる彼の手が
次第に荒々しくなる



時折、私を壁やドアに
突き飛ばしては引きずって

部屋の隅に…奥へと追いやる



床を這いつくばうように逃れても
ひょいっと簡単に持ち上げられて
連れ戻されてしまう



力では、とても敵わない


どうにも、ならない




とんだ乱暴・・・ひどい・・・





なのに・・・

どうして、そんな顔してるの?



ねぇリョウキ・・・どうして?







泣いては・・・いない



だけど…リョウキの目は

くろめの…瞳の奥は


悲しそうに、悲しそうに

溢れそうに…泣いていた








行き止まり…




私の身体は簡単にベットに投げ出された


後退りする私に
覆い被さる彼…



私はついに叫んだ



もうダメ・・・私





精一杯の…私の〃虚像〃が
壊れてしまう



ダメ・・・もうダメ・・・




大きな声で・・・叫んでいた






ひどいよ・・・わけわかんないよ




リョウキ・・・どうして?




私をそんなに憎んでいるの?





なんだっていい・・・


もう好きにしてよ





どうなったっていいよ私・・・





どうせ私は・・・あなたを










あなたを嫌いになったり

憎んだりなんて出来ない・・・



あなたを

忘れることなんて・・・出来ないのだから















『お前じゃなきゃ・・・ダメだ』









この言葉を聞いた時

自分の頭を過った事を
私は今でもハッキリ覚えている




〃たとえ…誰かを不幸にしてもいい〃


〃この人と、いたい〃


〃この腕の中に・・・いたい〃






私は・・・〃偽善〃だらけだった

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