
Best name ~ 追憶 ~
第5章 あの人に…お似合いの女の子
そんな…自分の気持ちを
上手く自覚することも
のみ込みも出来ていなかった
当時の私は…
チラ・・・チラっ
とある土曜日の仕事帰り
いつも行っている美容室の前を
少し・・・しばらくウロウロしていた
予約は…していない
〃やっぱり・・・髪染めてみようかな〃
予約してないし…断られるかもしれない
でも・・・いいよ、って言われたら
やっぱりやめる、とか
うだうだ迷ったりお店の人に
迷惑かけるのは…イヤだなぁ
なんて…うろちょろする私の後ろに
『アイル~~?まだ帰ってなかったの?(笑)』
仕事帰りとわかる装いで
通りをうろちょろしていた私を
呼び止めたのは
マナさんだった
『ゎ・・・わたし』
最近の私の…ちょっとワガママで
ちょっと困った悩みを知る
数少ない私のアドバイザー
結局そのままマナさんと
話しながら街に出掛けた
『リョーキ休みでしょ?
待ってんじゃないの~?(笑)』
『い…いいんです・・・べつに』
ふてくされながら
街をウロウロ
大好きなマナさんといつものように
ショッピングなんかしてても
好きなお洋服を見ていても
この日は…
なんだか
ちっとも楽しくなかった
『なんだかんだで…張り合いがない
ってモンだよそれは…♪』
『え・・・?』
『ん、だから~…確かにさ
彼氏のためにオシャレするわけじゃないけど
でも…密かに努力してるのに?
それが実らないって…やっぱり
さみしいって言うか
やりがいがないってもんじゃないの?』
ちょっと・・・、すごく?
図星だった
『~女はそういうもんだし?
逆を言えば…男はそういうもん?
っていうかさ』
『・・・』
『でも…リョウキはリョウキだかんね♪
別に…何も背伸びしなくていいんじゃない?
年上だし?あんたが自分より幼かろうが
当然だって思ってるんじゃないかな』
『・・・子どもじゃ…ないのに私だって』
『ふふっ・・・~そんなの
きっと本音を言えば…建前じゃない?(笑)』
『ぇ・・・』
