TIME is MONEY
第6章 scene Ⅵ
散々偽りの “愛してる“ を囁かれて、おかしくなったのかも知れない
座ったままイカされた俺は、もう何も抗う気力さえ残ってなくて
背中を雅紀のシャツ越しの胸に預けてしまっている
こんな風に甘えたのも初めてなら
…イッた後の余韻に浸るのも初めてだった
だけど、背を預けた雅紀の体の下の方…
俺の腰の辺りに当たるそれは、しっかり熱を保ったままで
とは言え、このまま終わらないのも知ってるし
…俺だってまだ満足してなんかいない
雅紀に開発されてしまった体がこれで引く訳もない
「ベッド…と言いたいところだけど」
「…え?」
雅紀だって分かってる
だからベッドに移動するのかと思ったけど
「続きは風呂で」
「…え、えええっ?!」
何なんだ今日は
何が雅紀をおかしくさせてるんだ
「ちょ…、せめてベッド…」
「だからダメ。風呂でイチャイチャって、恋人ならしたいじゃん」
「恋人じゃねえだろ!!」
さすがに俺もキレた
いつまでこいつの戯れ言に付き合わなきゃいけないんだ
「今日限定だからいいじゃねぇか」
雅紀の声色が変わった
それはいつもの組み敷く時の低い声
逆らえない…
だってその声に、体の奥が疼き始めたから