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TIME is MONEY

第6章 scene Ⅵ


右腕を上げて、雅紀の首に巻き付ける
それによって引き寄せられた雅紀の吐息を唇のすぐ傍に感じ、一瞬息を飲んだ

でもここで怯む訳にはいかない

俺から仕掛けて、早いとここのふざけた時間を終わらせたい

さっさと快楽だけに溺れたい



「かず?」

「ね…雅紀、キスしたい……して?」

生まれて初めて自分から男を誘惑した

こんな事、普通なら出来ないししたくもないし
…考えたくもないけど

この疼きだけは早く何とかしたくて “ねぇ…“ と上がりそうな息に小さく声を乗せた


「お前…それヤバい」

ごくん、と唾を飲み込む音が聞こえる

そして
俺の顎を掴んだ雅紀が無理な姿勢で唇を塞いできた

強引に上向かされた上に唇を塞がれて、あまりの苦しさに涙が滲む

自分から誘ったくせに、雅紀に翻弄されるのが情けないけど
そんな事よりもこれで雅紀も変な事をほざかずに、行為に夢中になっくれればいい


「んぅ…っ」

飲み込み切れないどちらのものとも分からない唾液が仰け反った顎を伝って、お湯の中に溶け込んでいく

深く絡まる舌が、段々と思考を奪っていくのを感じ始めていた





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