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君を好きにならない

第5章 若いな、お前

「そ、そんなことないです。
ものすごく参考になりました。

ジャれてたのは
最初だけで
あとは2人とも
いや、後輩は特に酔っ払うってのも
いいかなって思いました。
だから攻められてる時も
後輩の頭の中は……」


そこまで言うと
真琴は言葉を途切らせ
いつものように
俺の好きな表情をみせた


頭の中で
小説が
映像になってる瞬間だ


俺を見てるけど

俺は見ていなくて

妄想が
爆裂してる顔


「真琴」


「……」


「真琴」


「あ、はい」


「書いたらどうだ?
今すぐ」


「はい」


真琴は
すぐにパソコンの前に座り直し
まるで
俺の存在を忘れたように
キーを打ち始めた



好きだよ


そんなとこも


好きなのは




俺だけだけどな
(苦笑)



「真琴、書き終わったら
どこか飯食いに行くか?」


「……」


もう俺の声も
聞こえねーか(苦笑)


仕方ねーな

ケーキでも
買ってくるか


「向井さん」


「な、なんだ?」


「ここで食べたいです」


「ん?」


「ここでゴハン食べたいです。
向井さんの麻婆豆腐食べたいです。
誕生日過ぎたら
いつまでも甘えてられないから
僕、今日はここで食べたいです」


可愛いこと
言いやがって


「仕方ねーな。
じゃあ買い出し行ってくるわ。
ちゃんと仕事片しとけよー」


「任せてください。
絶対終わらせますんで。
ケーキ食べたいんで」


「わかったよ。
わかったからさっさと仕事しろ」


「はーい」

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