君を好きにならない
第7章 攻められました
「…ん…
あ…向井さ…
俺、寝ちゃて…」
「やっと起きたのか?
俺はもう出るから
あと頼むぞ
今日はちょっと帰り遅くなるから
適当に飯食っとけよな」
「今日、仕事…?」
「仕事だ仕事。
ほんじゃ行ってくるな」
まだ
ソファでまどろんでる
真琴の頭を軽く叩いて
俺は玄関へと向かった
「痛てっ
もー向井さーん…」
背中に聞こえる
真琴のその言葉に
俺は少しホッとしていた
昨日のことは
覚えてないみたいだ
もし覚えてたとしても
夢だと思ってるんだろう
玄関のドアを開けると
リビングから
真琴の声が聞こえた
「いってらっしゃーい」
あいつ…
さっきまで
不安だった俺から
思わず笑みがこぼれた