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君を好きにならない

第11章 一筋の涙


「向井さん
終わりましたよ」


映画が終わり
真琴に促されて席を立ち
俺たちは駐車場へと向かった

その間
真琴は何かのスイッチが
入ったように
小説の構想を話し始めた


まだ
真琴に返事をしていない俺は
どうしていいか
わからないのに


真琴は
今までと
何も変わらない様子で…。


「あー
やっぱ来てよかったー
スランプから抜け出せそうです。
今すぐ書きたいくらい。
向井さん
ありがとうございました」


車に乗ると
真琴はそう言って
俺に頭を下げた


「・・かまわねーよ。

俺も久しぶりで
楽しかったし」



「寝てたくせに(笑)」



そう言って
無邪気に笑う真琴を見てると


真琴には


もう

全てを話したい
とさえ思う


言えたら
どんなに楽だろう


真琴のことを好きなことは
言わないにしても


俺が

男しか
愛せないってことを
真琴に話せたら・・


そして真琴が

今まで通り
俺と接してくれたら



どんなに


俺は
救われるだろう・・

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