君を好きにならない
第12章 好きにならない
「来てください」
マサシは
腕を掴んで
俺を起こし
そして
俺をベットに誘った
「もう、終電ないし」
マサシがそう言いながら
先にベットに上がり
寝そべると同時に
俺の手を引きよせた
「泊まっていってください。
何もしなくていいから」
俺は
あっという間に
マサシの胸の中に包まれていた
こんなことを
してもらったのは
いつぶりだろう・・
大抵俺は
抱きしめる方で
慰める方
俺は
深く呼吸をしながら
目を閉じた
俺を抱きしめてるのは
真琴じゃない
そんなことは
分かってるのに
癒されるから不思議だ
だから
その日だけの相手を
男は探してしまうんだろうか・・
もちろん
相手が
誰でもいいわけではないけど。
5分ほど
マサシに抱きすくめられた後
俺は
逆にマサシを
胸の中に抱き寄せ
マサシは
俺に甘えるように
すがった
今でも思う
今日だけの相手なら
マサシは最高だ
今すぐにでも
抱きたい
いや
抱いて・・やりたい
「向井さん・・」
マサシが
胸の中で俺を見上げた
「ん?」
そう言いながら
髪をなでてやると
嬉しそうに
微笑んだマサシは
照れくさそうに囁いた
「俺が
向井さんのぬいてもいいです」
「そんなことしなくていいよ」
「なめてもいい」
舐められたいのは
お前だろ?
そう思ってることが
相手に伝わってしまうから
男は厄介だ
軽く
太ももでマサシの股間をさすると
マサシは
腰を引いて照れながら
謝った
「すみません」
「今日はこうして寝るだけだ」
そう言って
もう一度マサシの髪を撫でると
マサシは
また胸に頬を摺り寄せた
「ありがとな・・マサシ」
「・・・・・」
マサシからの返事はなく
俺達はそのまま
眠りについたけど
俺は気づいていた
マサシの涙で
俺のシャツが
少し濡れていたことを
そして
自分が
『今日は…』
と言っていたことを