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君を好きにならない

第12章 好きにならない

さて…

どうしたもんかな


リビングに戻り
真琴の残したジンを飲みながら
ソファに腰かけた俺は
パソコンを見つめながら
頭をかかえた


どうしてあの時
ゲイじゃないと言わなかったのか

どうして
隠し通さなかったのか・・


後悔しても
仕方がないが
せめて
真琴が小説を書きあげるまでは
話すべきじゃなかった


話せば楽になる
なんて
そんな俺の気持ちは
どうでもよかったんだ


大事なのは

真琴がこの先も
小説家を続けていけるように
いい仕事をさせることだったのに・・



何やってんだ


俺は。




なんだろう
急に
オネェに会いたくなった

いや

マサシでもいい


ゲイな奴らなら
誰でもいいのかもしれない



結局

アイツ・・省吾が
特別な訳じゃなかったんだ

ノンケにゲイだと
話した自分が悪い


ゲイでなければ
誰だって
気持ち悪いと思う


そんなこと
分かってたはずなのに・・・




俺は

真琴の書いた小説に
目を通しながら
涙をぬぐった



こんな風に


全てが
うまくいくはずがない


現実は
こんなに
うまくはいかないんだよ・・。








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