君を好きにならない
第17章 見たことのない景色
「本気で言ってんのか?」
「本気だよ
向井さんを・・入れたい」
「そんな焦らなくていい」
「お願いだから」
真琴はそう言って
俺に抱きついた
もちろん
俺だってできるなら
そうしたい
でも
一度うまくいかなくて
拒絶されたら
もう二度と・・・
そんな心の葛藤が
真琴に伝わったのか
真琴はベット脇の棚から
しまっておいたジェルを手に取り
「僕はそうしたいんだから
向井さんが我慢しなくていい。
向井さんも
したいならしたいって
言えばいいんだ。
僕、知ってるよ。
なんとなくだけど・・
してくれないなら
準備くらい僕が自分で」
そう言って
真琴がジェルの蓋を開けた
俺は
急いでそのジェルを取り上げ
真琴を抱きしめた
「ごめんな真琴・・
こんな臆病で」
「向井さん・・」
「お前を抱きたい」
「・・嬉しい」
「でも・・・
途中で怖くなったら
言ってくれ」
「うん・・
僕、どうすればいい?」
「お前は
ただ感じてればいい」
「…うん」