君を好きにならない
第17章 見たことのない景色
「ハァ…ハァ…ハァ……」
真琴から
ゆっくり抜き取ると
真琴の窄まりは
無意識にも
閉じたり開いたりを繰り返し
それを見てるだけで
もう一回やれそうな気がする
俺はどうかしてるな
そう思いながら
真琴の足を
下ろしてやり
二人の汚れをふき取ると
俺は
完全に放心状態の真琴を
優しく抱きしめた
「真琴…」
真琴は
ただ黙ったまま
俺の胸に顔を埋めた
「大丈夫か?」
「…ん…」
「ありがとな」
「……ん」
え?
それだけ?
俺は
言葉少ない真琴が
心配になり
急いで真琴の顔を覗き込んだ
あぁ…
はじまった
こいつ
あっちに頭が
いっちまってる
身体は
疲れたのか賢者なのか
かなり脱力してるが
目は
俺を見てるのに
俺を見ていない
真琴は多分
半分妄想の世界にいる
仕方ねぇ…
真琴が
また
甘えてくれるのを
待つしかねぇな(苦笑)
「向井さん…」
「な、なんだ?」
「僕…今
見たことのない景色を
みてるよ…」
「そうか…」
「よかった
身体まで
向井さんの恋人になて…」
「真琴…」
恋人
ここまで
その言葉を
ずっとお互い使わずに
きてしまっていた
だから
真琴からでた
その言葉が
泣きそうなくらい
嬉しくて
俺を見てるのか
見てないのかわからない
俺の可愛い猫に
キスをした
どんなお前も
好きだ
いつまでも
愛してる