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君を好きにならない

第19章 最終章


少し酔った真琴を連れて
店を出て少し歩く

まだ時間も早くて
人通りが多く

少し
人を避けながら
歩いてると

突然
真琴が俺の手を握った


「ココは
手を繋いでもいいんでしょ?」


俺は咄嗟に
その手をコートのポケットに
入れて


「100%いい訳じゃねぇ。
ゲイじゃない奴だっているんだ。
知り合いだっているかもしれないだろ?」


って返事をすると
ちょっとスネたような顔をした真琴は
俺の手を握ったまま
突然走り始めた


「お、おい!真琴!」


仕方なく
手を引かれるまま
俺も真琴について走ると

真琴は
暗い裏路地に入って
走るのをやめた


「はぁ・・はぁ・・
真琴・・なんだよ突然・・」


真琴は
俺を壁に押し付け
両手で囲うようにして
俺を見下ろした


「僕もキスしたかった」


「え?」


「僕もマサシに
キスしてみせたかった」


「ちょっ、ま・・ん・・」


真琴は
俺に身体を押し付けながら
舌をねじ込み

息が上がるほどの
熱いキスをした


「ハァ・・ハァ・・

それから・・」



「ハァ・・ハァ・・」



「僕も
司さんって呼ぶ」



なんか
妬いてる真琴が
可愛くて

俺は思わず
頬を緩めた



「あぁ、好きに呼んでいいよ」


「司さん・・」


「ん?」



「・・好き」



「あぁ」


酔ったのか
キスをしたからか

少し
目じりの下がった真琴を
今度は俺が抱きしめて
耳元で囁いた



「心配すんな


俺はもう



お前以外

好きにならない」






完結!!




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