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君を好きにならない

第2章 真琴!死ぬなよ!

そして
真琴との約束の日


やっとの思いで仕事を片付け
俺は急いで
真琴の部屋に向かった


もう、こんな時間か…


俺が抱えてる担当は
もちろん真琴だけじゃねぇ
ラストチャンスってこともあって
真琴に時間を割いてやってるが
その時間を作るのも
なかなか努力が必要だ


『そろそろ着く』

足早に歩きながら
真琴にLINEすると

『開いてるんで』

と、返事が返ってきた



さすが十代
言葉途中で
やめんなっつーの
てか主語ねーし!



「上がるぞーー」


ほんとに鍵を掛けてねぇドアを開け
俺はいつものように
キッチンをチェックしながら
奥の部屋に入った


妙に…綺麗だな…


「あ、向井さん!
待ってました!
座ってください!
これなんですけど…」


真琴は
いきなりパソコンやノートを
俺の目の前に置き
新作小説の
何パターンもの設定を
説明しはじめた


「ちょっ、ちょっと待て
わかったから
ゆっくり話せって」


焦ってるからか
なんだか口調がしどろもどろの真琴を
落ち着かせようと
俺は真琴の肩に手を置いて
ポンポンっと軽く叩き

「まぁ座れって」

そういいながら
真琴の腕を掴んだ


ん?


こいつ

……熱い?



よく見ると
真琴の目は潤んだまま
どこか虚ろ

少し
頰も赤い


「お前、もしかして…」


おでこに手をつけると
すぐに熱があることが
分かるほど熱い


「お前、熱あんじゃねーか
何やってんだよ」


「し、仕事を…」


「てかお前、その服…
あ、お、おい!真琴!」


真琴はその場に
フラフラと床にへたり込み
ぶるぶると震えはじめた

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