君を好きにならない
第3章 誘ってんのか?
「ほっとけ
おっさん相手に何言ってんだよ」
とりあえず
ぼんやりした答えでスルー
まだ性癖は隠しておかねーとな
「おっさん?」
「あぁ、お前らからみたら
もうおっさんだろー」
「そんなことないっすよ!
大人な感じでうらやましいです」
「そうか?(笑)
お世辞は言えんだな、お前」
「お世辞とかじゃないですよ」
「わかったわかった
もういいからさっさと仕事するぞ」
昨日の夜のことを誤魔化し
真琴から
おっさんじゃないって言葉を聞くと
ニヤけそうになって
俺は急いでガムを噛み始めた
「向井さん」
「ん?」
「いや、なんでもないです」
真琴は
ガム噛んでる俺を見た後
八重歯が出ない程度に顔を緩めてから
マウスを握りしめた