隣は空席のまま…
第9章 女が強い訳
「妊娠を貴女に告げた時・・・貴女は本当に途方に暮れていて・・・どう、言葉をかけていいか・・・悩んだのよ」
先生は、私のカルテを見つめ――――…あの日の私の事を思い出しながらポツリポツリと話始めた
あの日の私は――――…本当にどうしていいか解らず泣いていた
先生も私のみるみる変わる顔色で不安が募ってい行ったに違いない
「――――私ね・・・あの時、貴女にお腹の子を見せるのを躊躇ったの――――・・・」
先生は、少し申し訳なさそうに手元のカルテを開いた
「――――…何でですか?」
私は、先生の手元を気にしながら話を聞こうと背筋を伸ばす