隣は空席のまま…
第9章 女が強い訳
「でね、マスターがノンカフェインの珈琲を教えてくれたの!」
すると、ホタルが驚いたように目を丸くする
「はぁ?珈琲なのに…ノンカフェイン?って、珈琲の醍醐味あるの?」
豆を選ぶ手を休め私は、ホタルのリアクションに笑ってしまう
「醍醐味――――って、珈琲は珈琲だったよ?味はほとんど変わらない!抵抗はなかったよ?」
私は、棚にあるノンカフェイン用の珈琲豆をホタルに見せた
「これは、私用のね…お店で出すのは普段通りの珈琲だし、焙煎して煎れる分には体に害はないから」
ノンカフェインの珈琲豆を不思議そうに見るホタルの顔は呆れていた
「――――香りとかは…大丈夫なんだ良かったわ」
「心配してくれてありがとう。
カフェインの取りすぎがいけないのであって…まったく珈琲を飲んでは駄目って事じゃないんだよ?
大体…1日200㎎までって…ネットには書いてあったよ?
でも、心配だし…飲まないって決めてる!」
すると、更に呆れた顔でホタルは私に豆を返すと
「まったく、ガチガチなのよあんたは!極端過ぎるの!その子が出てくるまで、神経質どうにかしないと!嫌われるわよ!」