隣は空席のまま…
第5章 敗北者に優しくない世界
「――――――あ、すみません…体調が優れず…携帯を切って寝てました」
暴れた――――…
あの…智子ちゃんが…
でも――――…何で――――…
妊娠して、ヒステリーになったと隆太は言っていたが…
ヒステリーではない…鬱だったの――――?
「――――――あの…」
「―――――申し訳ないが…今日は、このまま――――…退社してもらえないだろうか…
君の噂は…社に広がって……取引先まで拡散しそうな勢いなんだ――――…」
え――――…
え――――――――――――…
「そして…大変申し訳ないが…このまま…自宅謹慎で――――…
今月いっぱいで辞めてもらいたい……」
「え――――――――…?
あの――――…暴れたのは…要さんの奥様ですよね…何で――――私が…」
証拠も何もなく…疑われている
「―――――君の名を…わめき散らして大暴れしたからね…
流石に…無実でも…かばいきれなかった…」
「そんな!?―――――要さんも…?」
「いや……彼は、企画部のエースだし…家庭も有るからね――――…男性の産休制度を適応することに――――…」
そんな――――…
「――――そんなの…理不尽過ぎます!!」
「悪いが…上からの――――…通達だ…
君が昨日――――電話に出ていれば……」
そんなの――――…そんなの――――――――…
あんまりだ……
私は――――…
不倫によって――――――――――――…
職を――――…
失った……