隣は空席のまま…
第5章 敗北者に優しくない世界
そのなかに――――…
隆太の電話番号も――――――…あった…
本当に…昨日は…大変だったんだ…
私は、何も知らずに――――――――…
隆太とちゃんと別れたのだと――――…言い聞かせるのに…
1日を使った――――――――…
「ふっ――――…本当…不倫は…犯罪…
責められ…罵られ…蔑まされ……居場所を失う――――…」
それでも――――…
そうまでしても…手に入れたいと…
覚悟しないと――――…してはいけない…
犯罪――――…
私には…
覚悟も…顛末も――――…
受け入れる…準備すら――――…
頭の片隅になかった――――…
流され…
流木に掴まるかのように――――…
その手を…掴んだだけ――――…
こうなる…なら――――…
隆太を受け入れなかった…
って…
人のせいにして…しまう…