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リアル

第11章 9

美和が居なかったらきっとずっと辛い思いをしていた




美和が居たから幸せだった




嫌いになんてなる訳がないだろう




ゆうは美和の顔を見る事が出来なくなった




美和の顔を見ていると強く抱きしめて




ありがとう




ごめんね




って言ってしまいそうになる





私は美和に嫌われないといけない




私が美和の為にできる事は美和に恨まれ顔も見たくないと思われる事




そうすれば、美和は辛い思いする時間が少なくて済むだろう





私が出来る最後の美和への愛情表現は…





ゆうが美和の顔をしっかりと見て言った




「美和。




私は美和が嫌いになった。」





ゆうの言葉を聞いた美和は一瞬呆然とし





顔をぐちゃぐちゃと歪ませて目からボロボロと涙を流した




美和は黙って後ろを向くとヨロヨロとよろめきながら歩いて行く





ゆうはすぐに追いかけ抱きしめて、いつもの様に髪を撫でてやりたい気持ちを押し殺した




美和の後ろ姿が見えなくなるまで見守っていた





美和が見えなくなると、堪えていた涙が溢れ出していた





ーゆうは皆の前から姿を消したー









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