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☆時計じかけのアンブレラ☆

第15章 花

side N

ベッドに横になる潤くん。
「かず、気持ちいい〜」
「そお?」
安定期に入ってから、たまにこうして寝る前にマッサージをしてあげる。

きっかけは潤くんが家のパソコンで作業してたとき。肩や首を回していたから、疲れてんだな〜と思って軽く肩揉みをしたの。そしたら、「かず、整体師みたいだね」って。イコール「もっとやって」って意味(笑)。

それからは腰とか背中を揉んであげてる。こうするとリラックスできるんだって。

潤くんてほんとに俺の手が好きなんだね(笑)。

ふと、潤くんのお腹に触れてみる。

……あ、今動いたかも。
「最近はね、グニャグニャ〜ってすげー動くんだよ」
っておしえてくれた。

妊娠中もスキンシップって大事らしいし。

それで気分が落ち着くなら、なによりだよ。

「かず、ありがとー」
「うん」
潤くんを後ろからギュウゥッと抱きしめる。
「ふふっ。擽ったいよ」
「へへっ」

父親は母親と違って、赤ちゃんを宿してるわけじゃないし悪阻もないから、父親になるって実感するのに時間がかかるっていう。けど、俺は少しでも潤くんの気持ちに寄り添っていたいと思う。

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