
二人で一人
第60章 クリスマスデート
なんなんだよ…
アイツ、嵐みたいなヤツだな…。
「空狼くん、行っちゃったね…。大勢いたほうが楽しいのに……。」
俺はなぜだか、優のその言葉にムッとした。
『……俺は…』
『今は…優と二人きりがいい…』
「え…?」
長い沈黙。
俺は優といっしょにいれる時間を大切にしたい。
中3になったら受験勉強とかで忙しくなるだろうし……。
そんなキモチだった。
「蓮…ごめん……」
優がしゅんとしていた。
マフラーに顔を埋めていた。
…泣いてる?
いや、泣いてないな。
けど…
瞳が揺れてる………。
