いとしいとしというこころ
第5章 新しい毎日
高校生になった。
入学式に合わせて忙しい中、帰って来てくれたお母さんが嬉しそうに俺の真新しい制服姿に目を細めていた。
そんなお母さんを見て俺も嬉しくなる。
「あっちで一緒に暮らせたら嬉しいけど…でもそれは私の我儘でしかないのよね。
だって忙しくてきっと寂しい思いをさせてしまうから。」
俺にだけじゃなく、おばちゃんやおじちゃん、翔にいにも顔を向けて、いやね、ほんと、って話してた。
「だってここにいたら、みんながそばにいてくれて。
寂しくないものね。
今はお友達もいるって…ね?」
「そう!
すっごく仲良くなった人がいるんだよ!」
「そうだよ、おばちゃん。
俺の友達なのに、和の方が仲良くなっててさ。」
俺に続いて翔にいも話した雅にいのこと。
「あ、時々メールに出てくる人ね。会いたかったな。」
「今度帰って来た時に会えたらいいね。」
お母さんが、どんな人?って言うから翔にいが写メ見せながら雅にいのおバカな話や優しい人柄の説明をして嬉しそうに聞いてるお母さんを眺めていた。