いとしいとしというこころ
第7章 はじめてのチュー
最初の掠めただけのとは違う。
ちゃんとくっついた唇。
ほんの少しコーヒーの匂いがした。
大胆にも俺は雅にいの胸に飛び込んだ。
「ありがとう。
雅にい。」
俺の背中にそっと手が回されたのがわかって嬉しくて泣きたくなる。
「和くん。
おめでとう。」
雅にいは俺の頬にキスをした。
…えっ?
どういうこと?
雅にい?
なんでそんなことするの?
黙ったまま。
もうこのまま。
俺は好きとか言いたい、聞きたいくせに、やめた。
どこかで逃げ道を作っておきたかったのかも。
今日はこの幸せな気分に浸ってしまおう。
はじめてキスした。
今日、好きな人と。