いとしいとしというこころ
第9章 できた溝
雅にいの汗をかいた服を着替えさせて、さっき一度冷蔵庫に戻したスポーツドリンクを取りに行く。
持って行った時、眠ってたから。
戻ると受け取ったペットボトルを一気に飲んだ。
沢山寝たし汗もかいたから喉も渇いていたんだろう。
でもダルいのかすぐに頭を枕に乗せて横になる。
「風邪じゃないけど…あんまり近寄らない方がいいかも。」
そう言うけど俺は雅にいの傍らに座って少し元気になった顔を眺める。
「雅にい?大丈夫?」
「うん。大丈夫。
和くん、もうそろそろ帰らないといけないね。」
心なしかしょんぼりしているのを見て立とうにも立てない。
「…うん。」
掛け布団の端っこに頭を乗せてみる。
雅にいには見えない位置だからと足のあたりに両手も乗せて。
雅にいは重さでわかったのか手を動かすと俺の頭をそっと撫でてくれた。