誰も見ないで
第14章 文化祭
それでもギャラリーは納得したらしく、また目の前の女の子の次の行動へと興味が移った
俺も目の前の子の行動をじっと見守る
すると
「断られるって、わかってたからいいの。でも……」
そう言って俯いた女の子はちょっと悪そうな笑顔を浮かべてから突然俺の胸に飛び込んで来た
「わっ……!?」
一瞬また倒れたのかと不安になってつい受け止めると、そのままぎゅっと抱き締められて
すぐに離れる
「諦めないから!!! 絶対!!!!」
おおぉ、と何の感嘆なのかわからない声が上がって、それに満足したように女の子は自分の友達のところへと戻って行った
つ、強い
どうしたらいいのかもわからず、おずおず席に着く
教室の興奮がなかなか冷めなくて居た堪れない
チラッと見た瑞稀君も、驚いたような顔をしていて
さっき抱き着かれたのって
浮気じゃ、ない
ですよね
と色々不安になった
人生2度目の告白を経験した
その日のお昼休み
「やぁ」
見たこともないような爽やかな笑顔とともに正樹が教室までやって来た
教室内からきゃあ、と喜びの声が上がって、屋上に行こうとしてた俺も気づく
「正樹……」