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誰も見ないで

第14章 文化祭


ぎゅ、と強く握られた手に強い意志を感じる


と、そこで廊下の遠くの方から先生が


「お前たち何してるんだ!!」


怒鳴り声をあげながら近づいてきた

俺がペンキをかけられてるのを誰かが見て先生に言いに行ってくれたんだろう

ペンキの缶をまだ持っていた小川さんが加害者なのは明らかだったから、先生は


「小川、生徒指導室まで来なさい」


と小川さんに声をかけた

背中の広範囲にべったりとペンキを付けている俺は、とりあえず保健室にと言われ


「紺野、頼むぞ」


瑞稀君と一緒に保健室に向かった


「……」
「……」


保健室までの道中は2人ともずっと無言で


「失礼します」
「あら、一応話は聞いてたんだけど想像以上にたくさんかけられちゃったわね」


保健室の先生が予備のジャージを出してくれて、着替えてる間に先生がちょっと出てくるわね、と行ってしまっても


「……」
「……」


まだ無言のままだった


「お待たせ。髪の毛についちゃったのはこういう薬品じゃないと落ちないから持って来たの。髪の毛傷んじゃうけどいいかしら?」
「ペンキつけて生活は出来ないし、いずれ切っちゃうからいいです」

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