かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
怒りを……悔しさを、必死に堪えて
毅然として俺に語りかける
マリアのお父さんの声…表情
何よりは…
その言葉が
一言、一言が
切実で……重くて……深くて
『例えそこに…どんな事情があっても
娘にとって…君が
例え、どれ程の救い(もの)
だったとしても
不貞(それ)だけは・・・
親としても、許せる事ではないし
許して良い事ではない
親で…あればこそ』
重く…痛烈なその言葉は
俺の心臓を
穴だらけになるくらい
突き刺し続けた
『まりあ は…君の事を
〃恩人〃だと…言い続けた』
『・・・っ』
『だから…君には何の罪もない、と』
『それは・・・それだけは、間違いです』
〃俺は・・・罪深い人間だ〃
『私も、その時は…
〃一体、何を言っているんだ?〃と
ただ相手を庇いだてしたいだけだ、と
そう思っていたが
その理由も・・・今なら
私なりに理解している
・・・
今回の娘のケガも…
君の言うような
君にどんな…どれ程の要因…
責任があるのかはわからない
しかし…少なくとも
悪意をもって…起こした事ではない
そう…信じていたいし
何よりは…娘の…君に対する想いもある
だから・・・私達は
君を…責めるつもりは、ない』
『・・・』
『だがね・・・』
『・・・』
『君を責めたり…憎んだりしても
何も生まれない
誰かの…何かのせいにして
納得したい訳ではない、それが
どんなに…頭では、わかっていても
私は…それでも
何か納得の行く理由を探しても
見つけたとしても
私は…どうしても
君が娘としたことを
君のしたことを……許すことは出来ない』
『おっしゃる事は・・・ごもっともな事です』
『・・・』
『納得する理由なんて…どこにもなければ
もしも、あったとしても…許せるはずなど
お父……さんの、おっしゃる事は
至極、当然の事と思います
許せる事でも
許される事でもありません』
『・・・』
『申し訳ありませんでした・・・』
毅然として俺に語りかける
マリアのお父さんの声…表情
何よりは…
その言葉が
一言、一言が
切実で……重くて……深くて
『例えそこに…どんな事情があっても
娘にとって…君が
例え、どれ程の救い(もの)
だったとしても
不貞(それ)だけは・・・
親としても、許せる事ではないし
許して良い事ではない
親で…あればこそ』
重く…痛烈なその言葉は
俺の心臓を
穴だらけになるくらい
突き刺し続けた
『まりあ は…君の事を
〃恩人〃だと…言い続けた』
『・・・っ』
『だから…君には何の罪もない、と』
『それは・・・それだけは、間違いです』
〃俺は・・・罪深い人間だ〃
『私も、その時は…
〃一体、何を言っているんだ?〃と
ただ相手を庇いだてしたいだけだ、と
そう思っていたが
その理由も・・・今なら
私なりに理解している
・・・
今回の娘のケガも…
君の言うような
君にどんな…どれ程の要因…
責任があるのかはわからない
しかし…少なくとも
悪意をもって…起こした事ではない
そう…信じていたいし
何よりは…娘の…君に対する想いもある
だから・・・私達は
君を…責めるつもりは、ない』
『・・・』
『だがね・・・』
『・・・』
『君を責めたり…憎んだりしても
何も生まれない
誰かの…何かのせいにして
納得したい訳ではない、それが
どんなに…頭では、わかっていても
私は…それでも
何か納得の行く理由を探しても
見つけたとしても
私は…どうしても
君が娘としたことを
君のしたことを……許すことは出来ない』
『おっしゃる事は・・・ごもっともな事です』
『・・・』
『納得する理由なんて…どこにもなければ
もしも、あったとしても…許せるはずなど
お父……さんの、おっしゃる事は
至極、当然の事と思います
許せる事でも
許される事でもありません』
『・・・』
『申し訳ありませんでした・・・』