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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第6章 マリアの日記・・・

見るに耐えかねて
何度も手帳を閉じそうになったが
俺はページをめくり続けた。


マリアはおそらく
誰にも見せるつもりのないもの…

見せたとしても
弁護士だとか法律家に向けて…。



そんなものを
不可抗力とは言え

勝手に見てはならない。


わかってたけど
俺は手帳を中々閉じられなかった。




マリアの色々が
どんどんと納得できたから…?



話くらい聞いてやりたい、そう思う。
だけどマリアはあまり話さない。

相手に気を遣っているのと

あとは日記にもあったように
それを理解できる相手が
段々といなくなってるからだ。


話しても、わかってもらえない。
通じない。

マリアにとって
俺もその一人だろう。


マリアの話は
俺が聞いたって到底
理解というか同調できるものではない。


それは、ある種
仕方ないことだ。


わからないのだから。





あとは・・・もっと

単純な見方をすれば


〃話せなかった〃

んだと思う。






綴られている内容が
それを物語っていた。

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