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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第6章 マリアの日記・・・

経済的なハラスメントなんかも
ちらほら見えてきた。


マリアが口答えしたとかで
(おそらくは正論言われて逆切れ)
わざと生活費を渡さずに

食事を用意出来なかったマリアを
「怠け者」だ
「役立たず扶養家族」だ
「やりくり下手なダメな女」だのと
罵ったり。



ケータイを勝手に解約したり
手段を選ばない
嫌がらせの嵐…。



(マリアが自分のケータイを
「あてにならない」と言った理由は
おそらくコレか・・・)




やりたい放題だな・・・おい。






「なんのための人生?」

「なんのために生きてるかわからない」

「死にたい」


次第に
精神不安が心配されるような
言葉が増えて


それから



「だれか・・・たすけて」






切なかった。






「このまま年取っていったら
子どもも産めなくなっちゃうね」

「私が母親じゃ幸せに出来ないかも」

「なんにも欲張ってなんかない
当たり前の、ありふれた幸せだけ…」

「子どもがほしいのかな、
産めなくなるから産みたいのかな
わからない。私間違ってるのかな」

「誰の子でも良いの?…ううん、ちがう」

「叶うなら、大好きな人の子どもを
産みたいな」

「やり直せるなら、大好きな人と
今度こそ家族になりたい」

「赤ちゃん、生みたかったな」



・・・。






泣き方を忘れても

心はずっと泣いていたんだ。




心はずっと

誰かに助けて欲しかったんだ。



ずっと

幸せをあきらめたくなかったんだ。

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