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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第7章 守りたい・・・

震えるマリアを少し強く抱きしめた

せめて、震えが止まるまで・・・




ところがマリアは

次第に震えが強まり
嗚咽をあげて泣き出した。



『マリア・・・』

『ぅっ…うっ・・・わぁぁぁぁんっ』



俺はマリアを抱える腕に
力を込めた。



『わぁぁぁぁんっ・・・』

『・・・』




マリアの背中をトントンと
擦り続ける。



『ゆぅちゃん…ゆぅちゃん』

『うん。大丈夫・・・大丈夫だよ』


マリアは震える手で
俺の背を掴んで泣いていた。











泣かせる男のことは
許せない。


だけど俺は…
マリアを思い切り
泣かせておいてやりたいと思った。

マリアの気が済むまで

マリアの泣き声が小さくなるまで


マリアが・・・泣き止むまで。











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