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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

スゥーーーーーー・・・






『???』






電話を終えたマリアが
立ち上がって

やたらと深く・・・長い

深呼吸をした。










スゥーーーーーー・・・









『大丈夫か?』




『ん?~~うん♪ここ空気がおいしいから』






『???』







『~~なんでかなぁ、酸素が多い(笑)』








なんだそれ(笑)






『息しやすいっていうか…
住み心地良さそうだね♪ゆぅちゃんのお家』







こんな・・・狭くて
ちっちぇアパートなんかより


ずっと広くてデカい
良い家に住んでるだろうに・・・






マリアはずっと

毎日毎日…息も出来ないくらい
窮屈に過ごしていたんだろうか。










これで終わったワケじゃない。

束の間の・・・

本当に束の間の休息だ。







『ぁ…あの、ゆぅちゃん・・・』


『ん~~?』






『ぉ・・・お世話に…なります』







ぺこり・・・



マリアが少し恥ずかしそうに
お辞儀してきた。





『クス・・・あぁ』









明日のことは…


明日からの事は

明日・・・考えればいい。






とりあえず・・・今日は



『疲れたな・・・(笑)?』


『・・・ぅん』






ほんの少しの偶然に感謝する。




週末で良かった。

昨日…飲みに行かなくて良かった。





マリアが
夜の暗い道を…
一人さまよったりしなくて

本当に良かった。





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