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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

少しの時間を手に入れたマリアだけど

なんというか、そこに
浮き沈みみたいなモンがみえる。



楽しそうに、積極的にPCで調べものしてたり
一方で座り込んでじーっとしていたり…



性格・・・というより
情緒不安定…
そんな風に見えた。




『……ハァ』

『・・・。マリア?ちょっと
外でも出るか?』




『・・・』



あまり乗り気じゃないみたいだ。

ケガもしてるし…
言ってみれば、あまり人目にも
つかない方が良い・・・んだよな。





『腹減らない?ピザでもとるか?(笑)』

『・・・』




『キライ?』

『ううん・・・』





多分だけど
マリアは焦ってる。


先の事を考える…

何かを決断しなければならない
その準備をしなければならない、と。




『なぁ?・・・少し肩の力ぬいてみたら?』







『どうしよう・・・って
そればっか、考えちゃって

いやだ、いやだって言ってても
私・・・結局

あの人がいないと
生きていけないんだ、って

情けなくなるの…』





なんかグサッとくるものがあった。
色んな意味で…





『それは…自分を責めることなのか?

マリアはさ、その…結婚して
旦那につくして…って

自分のやるべきことを
全うにやってきたんじゃねぇの?』






その傍らで、じわじわと
彼女から自由を奪ってきたのは
その…旦那だろうが。




『・・・。』




『マリアどうしたいんだよ?実際』






『自由に・・・なりたい。

あの人のいない所に…いきたい。』








マリアから

初めて、明確な意思を聞いた。

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